レゴの事例で考える事業の拡散と絞り込み (2015/6/8)

一昨日、桜橋ビジネス勉強会第6回を開催。お題は「レゴ」。

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デンマークの会社は2000年前後に赤字を続けて低迷していたが、ここ10年ほどで急成長し、昨年は売上で5000億円を超えた。

その背景になにがあったか。

 

1998年、世の中はデジタル革命のまっただ中。

テレビゲーム全盛、インターネットが普及途上で、子ども達の遊びも変わっていく。

オタクっぽいブロック遊びの時代は終わったというのが、当時の経営陣の見立て。

 

外部から招聘されたカリスマ企業再生請負人プローメン氏は、矢継ぎ早に新たな手を打っていく。

”優秀な”人材を大量に採用し、”クールな”キャラクターを新たに作ってテレビ番組と連動させたり、ブルーオーシャンの教育事業を手がけたり。

ところがどれもほとんど芽が出ず、収益は悪化する一方。

 

倒産目前の危機状態の中、2004年に34歳の若さで経営をバトンタッチしたのがマッキンゼー出身のクヌッドストープ氏。

赤字を止め、利益の出る中核事業を立て直し、将来の成長の布石を打つ。

大々的な顧客リサーチを行い、勝手気ままな開発部隊に利益責任を持たせ、「子どもには最高のものを」という創業の理念に帰って行く。

「レゴらしくない」事業から撤退し、「間違いなくレゴだが、誰も見たことがなく」かつ収益が高い新製品開発を社員に課す。

全く顧みなかった大人のユーザーにも目を向け、SNSの普及の追い風もあって世代を超えた一大ビジネスに成長した。

 

プローメン氏が失敗し、クヌッドストープ氏が成功した。

でもそれほど単純なことではなさそうだ。

近年の製品開発の模範となった「バイオニクル」シリーズは、プローメン氏時代に生まれたもの。

その成功要因を分析し、他の製品開発に応用したのがクヌッドストープ氏。

 

新たな成長分野を見いだすためには、まず手数を出すことが必要。

何が当たるか、どれだけ事前に考えてみても、やってみるまでは分からないのがビジネスだ。

成功例を見つけて集中的に資源投下することと、だめな製品・事業はすぐたたむこと。

マネジメントの論理が適用できるのはその局面だ。

 

経営は事業や製品の「拡散」と「絞り込み」を繰り返す。

堅実な成果は「絞り込み」の段階で現れ、「拡散」の顛末は事業撤退というネガティブなイメージを残す。

その結果、「絞り込み」は善で「拡散」は悪という教訓が残り、新たな手数が出ない保守的な企業文化に陥っていく。

 

論理では突破しにくい、バクチにも似た事業の拡散をいかに仕組み化するか。

成功体験に囚われずに、一見馬鹿なことをまじめにやるということは、とても難しいことだと思う。

 

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