グローバリズム疲れ

昨日、今年最後の「まーけん(マーケティング研究会)」開催。
マーケティングといいながら、興味に任せて今回の課題図書はエマニュエル・トッドさんの『問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論』(文春新書)。

トッドさんは地域の伝統的な家族形態から思考や行動の様式を研究する大家で、それを基に社会問題を洞察している。

たとえば、フランスの中央部は伝統的に「平等主義核家族」なので自由や平等を重視するが、日本は「直系家族」が主で、権威や不平等が尊重される。それは日本独特のものではなく、フランスの周縁部と共通している。世界中で、思考の様式は多種多様なものがある。

グローバリズムが経済格差を助長していることに加え、グローバリズムが思想や文化を強制することになり、それが「グローバリズム疲れ」の元凶になっている。トッドさんによればブレグジットやトランプ現象は自然な現れで、必然ということだ。

ピピッときたフレーズはたくさんあるが、仕事に直結する話としては、80年代以降の米国が「ホモ・エコノミクス(経済至上主義)」に陥っているという指摘。経済学モデルですべてを説明しようとし、民主主義が絶対であり、世界の多様性を認めない攻撃的で単純な普遍主義に陥っていると。

それが湾岸戦争後のイラク国家を破壊したように、第二次大戦後にこのようなイデオロギーであったなら、日本もどうなっていたか分からなかった。当時のGHQは、まだ日本の伝統を尊重する度量があった。

私たちがよりどころにしている経営理論は、米国の経済学やビジネス論を基礎としているが、普遍主義に立って組織を破壊してしまう危険がある。「理」にそぐわないことでも、組織の風土を理解して多様性を受け入れる必要がある。

単純な思考は楽なので、ぼやっとしていると思考の筋肉は硬くなる。トッドさんのような本を読み、頭をもみほぐすことが必要だ。
(2016/12/16)

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