映画『ホームレス ニューヨークと寝た男』

若い時はファッションモデル、現在はファッション関係のカメラマンやちょい役の俳優で生計を立てている52歳の男。

僕とだいたい同い年。

住まいは立ち入り禁止のビルの屋上。

華やかな業界に長くいるので顔見知りも多く、身なりもよくてイケメンなので全くホームレスには見えない。

パーティーでみんなとハグした後、いそいそと屋上のブルーシートに戻っていく。

 

ノンフィクションのドキュメンタリーで、主人公の名前も実名だ。

映画館の観客はホームレス暮らしを追体験し、雪の寒さや雨のうっとうしさ、トイレや洗面の不便さを身に刻む。

屋上暮らしも規律やノウハウが必要で、ある種ストイックな生活であることがわかる。

屋根のある暮らしがどれほどありがたいことか。

 

ストイックな規律を課してる一方で、将来に向けて建設的な行動には出ない矛盾。

この境遇から抜け出したいとは思っているが、逃げ出すほどの危機でもない。

希望もないが絶望でもない、惰性とあきらめに覆われた人生。

なんとなく日々が過ぎ、ゆでガエルのように老いていく。

見終わったあとの後味はあまり良いものではなかった。

 

あえて希望を探すとすれば、このようなフィルムに出演して次の仕事につなげようとするしたたかさか。

ビジョンは持たず、目の前のチャンスを拾う嗅覚だけで生きていく。

彼にはできても僕には無理だ。

そんな獣のような生命力は僕にはない。

乏しい生命力を補う人間の知恵がビジョンなのだろう。

それにより計画と規律を自らに課すことができる。

 

これからのビジョンを、ちゃんと考えてみようと思った。

(2017.2.5)

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