子会社の経営を考える (2017.12.18)

一般論ではあるが、子会社の経営陣は親会社からやってくることが多く、トップが変わるたびに方針がころころ変わって子会社の社員は右往左往する。

また、子会社には確たるキャリアのビジョンがなく、また処遇も親会社より低いので、モチベーションが上がりにくい。

いくつかの経験を通じ、親会社と子会社の「格差問題」は根深く、日本社会全体の課題であると以前から考えていた。

一方で、3年前くらいから大企業の子会社の人材育成に携わることも多くなり、 子会社を含めた企業グループ全体の経営力を上げようとする機運を感じている。

そんな中、桜橋ビジネス勉強会で、宝ホールディンググループ傘下の大平印刷副社長のみずのさんから、経営改革のプロセスをうかがった。

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以下、勉強会を通じて私自身が考えたことを記す。

 

まず、 子会社とは何かという基本認識について。

それは「経営に関与してくる相当にうるさい株主がいる会社」である。

株主が経営トップを送り込んでくるという点では投資ファンドとは変わらず、子会社の経営者は、株主(親会社)と従業員の間に立ち、活動を調整する機能(マネジメント)を持つ。

ポジティブに言えば、株主、経営の執行責任者、従業員が三位一体となって活動できる株式会社の理念形とさえ言えるかもしれない。

だから、企業統治の観点から言えば、子会社であっても他の会社と変わることなく「フツウ」の会社である。

ではなぜ子会社の経営が活性化しないのか。

 

ひとつは、経営目標があいまいなことである。

たとえば、親会社のノンコア機能を切り出した子会社では、収益を目標とするのか、親会社へのサービスを目標とするのかがあいまいな場合がある。

一般的に言って、収益目標があいまいな会社は、外部環境への適応努力が引き出しにくく、マネジメントが難しい。

根本的な会社の存在意義として何を目標とするのかをはっきりさせたうえで、そのときどきの戦略方針を掲げないと、従業員は仕事のベクトルが見出せない。

株主(親会社)が「雇用の受け皿だから黒字にしてくれればラッキー」といった目標感であれば、活動が活性化ししないのは当然である。

 

2つ目は、外部環境をモニタリングして経営判断に活用する情報ベースが弱いことである。

子会社に限らず、下請け体質の会社にも通じることだが、仕事は「ある」ものという認識だと、需要や競争相手に対する感度が低くなり、組織の各層で主体的な判断ができなくなる。

誰かが言ったことをやる、ということではなく、自ら収集したデータを基に自律的に判断するということがなければ、人の力は十分に発揮されない。

営業情報の共有や、管理会計の仕組みの整備などで、経営のかじ取りに必要な基本的な情報ベースを築く必要がある。

 

そして3つ目は、上記の①明確な経営目標、②情報ベースを基に、経験や習慣ではなく、論理を基にマネジメントすることである。

①と②が共有され、論理的に考えれば、トップであろうと担当者であろうと同じ結論に達する可能性が高い。

そのようなプロセスを経たマネジメントは納得性が高く、結果的に組織は活性化する。

 

これらの要件を整備することで、「フツウ」の会社になることはおろか、親会社よりもコンパクトでより競争力の強い会社を目指すことさえできるだろう。

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