働かなくてもよい社会 (2018.1.18)

今年初めの”まーけん”で『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』(井上智洋、2016年、文春新書)を取り上げた。

農業も工業も機械に置き換わってきたのがこれまでの産業革命。

2030年ごろにいろんなことができる「汎用AI」が出現し、サービス業も置き換わって、とうとう人がやる仕事自体がなくなる。

 

2045年ごろには全人口の1割くらいしか働かないようになるらしい。

「仕事がなくなり大変だ」と考えるか、「働く必要がなくなる楽園になる」と考えるか。

楽園に近づけるために、働かなくても誰でも所得が得られる「ベーシックインカム」の導入を著者は提唱する。

働かざる者、食うべからずという現代社会の共通イデオロギーが崩壊する。

「雇用大崩壊」というより、「価値観大崩壊」ということになりそうだ。

 

働かなくてよい特権階級は昔もいたし、今もいる。

産油国のように地面から富を掘り出せる国もある。

いずれにしろ、偏在している財や階級を持つ少数の者が、その他の大勢の所得を移転させることで成り立っている。

それとは全く逆の、その他大勢が働かなくてもよい社会において、価値と貨幣の流通がどのようになるのかは想像しがたい。

まだまだイマジネーション不足なので、今後の研究課題にしよう。

 

仮に働かなくても食うに困らない世の中になれば、問題は時間つぶしだ。

朝から酒を飲むか、昆虫採集でもするか、植物の研究でもするか。

働かなくても仲間を持ちたいということはあるだろうから、きっと〇〇クラブといった組織や集団に属するようになるだろう。

リーダーに気遣いながら、忖度しながら生きていくことは変わらなさそうだ。

契約や取引でないがゆえに、属人的な組織文化の中で、かえって窮屈な時間が増えるかもしれない。

 

自分らしく生きる、自分のやりたいことをやるというのはどんな世の中でも難しい。

なんだかお金にギスギスした世の中の方が、割り切って気楽に生きられるような気がしてきた。

今の世の中が少しばかり好きになったような気がします。

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