堺屋太一氏による2026年の日本の処方箋 (2018.3.17)

まーけんで御大堺屋太一氏の『団塊の後 三度目の日本』(毎日新聞出版、2017年)を取り上げました。

東京オリンピック以降、大不況に陥った2026年の日本が舞台で、安全だが面白みのない「天国」になった日本から脱すべく、総理大臣が立法・行政の改革案を発表するまでの近未来小説。

小説仕立てなのが小生にとってはかえって分かりにくかったのですが、そうではないというメンバーもいたので、これは好みの分かれるところ。

氏は天国を維持する「身の丈の国」などもってのほかで、活力をもった「楽しい国」にすべきという主張。

そのうえで、諸悪の根源は自己保全を図る官僚で、氏の経験・知見を踏まえたシステム改革の処方箋が本書です。

アンチ巨人も巨人ファンという意味で、役人さんに向けた愛を込めたメッセージだと思います。

以下はさまざまな登場人物の口を借りた堺屋さん(と思われる)の見立てや主張の中で、メンバーのレジュメを借りながら、ピンときたものの備忘録を記します(ストーリーの概略ではありません)。

<歴史観>
〇第一次大戦と第二次大戦の間の20年間、世界各国とも失敗した。アメリカ・ドイツ・フランス・ソ連・中国も失敗したが、日本の失敗と諸外国の失敗とは本質が違う。諸外国は独裁の失敗、つまり権力を握った政治家の暴走。日本は鍵を握る独裁者がおらず、権限を分け合う官僚の無責任・無定見による失敗だった。

〇2026年まで続いているであろう日本の国家コンセプトは、①アメリカ陣営に属して軍事小国・経済大国を目指すという外交防衛のコンセプト、②東京一極集中の規格大量生産型の工業社会を目指すという経済社会コンセプト。

〇日本の世の中を変えるのは暴力革命でも外国に戦争を仕掛けて負けるとかではない。世の倫理を少し変えることでよい。

<現在の延長としての2026年の見立て>
〇東京は不動産不況。唯一活況なのが高齢者用住宅で、マンションがサ高住に変わっていく。

〇新幹線は料金高すぎ。割引価格の食堂車復活。のぞみ号が停まらない駅は「連珠都市連合」として団結して地域振興に取り組む。リニアモーターカーの需要は疑問視。

〇団塊の世代も2026年には全員が後期高齢者。10年以内に3割は亡くなり、医師や病院が余る。ただし、医者は自ら需要を作り出せる。人口は減っても世間の人に心配を植え付け、通院回数を増やし、投薬の種類を増やせば医療の需要は増える。

<解決策>

〇議員の定数是正は議員数を減らすのではなく、増やして解決。この方が反対されない。

〇税収の増減に責任のあるものがその税源を持つべき。国政に左右されやすい法人税、所得税、関税などは国の財源に。地域の振興政策で増減する消費税や燃料税、購買者が買う場所を選べる酒・たばこ税は地方自治体の財源に。2026 年度予想ではこれらの合計 17 兆円余を地方に移管。

〇改革の抵抗勢力はマスコミと労働組合。マスコミは再販防止や記者クラブで守られてきて変わらず、労働組合は格差反対。

<願望>
〇医師や料理人を海外移住させ、その次世代が日本に戻ってくることによって国民の多様性が生まれ、社会に活気が生まれる。

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