eスポーツはロックンロールだった(2018.12.9)

体を動かすことがスポーツの必要条件であるとすれば、今話題のeスポーツはそのキワにあると言っていいだろう。指先の洗練された動き、優れた動体視力や反射神経などが要求されるとは言え、ダイナミックに体を動かすスポーツと同じカテゴリーのものとは認めにくい。そんな最近の話題を含め、桜橋ビジネス勉強会でミズノ社にお勤めのジンノさんから、スポーツ業界全体の市場環境をお話しいただいた。
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もちろん2年後の東京オリンピックにも触れていただいたが、面白かったのは前回1964年当時の社会情勢と比較されたこと。その中で、街頭テレビで力道山の試合を見る群衆の写真が目に留まった。外国人レスラーを空手チョップでなぎ倒すプロレスラーを見つめる姿が、eスポーツの観客と重なった。どちらもあこがれの視線に満ちている。

あこがれではあるが、住む世界の違うアイドルではなくて、自分の代わりに戦っている分身としてのヒーロー。舞台の上のパフォーマンスに思わず体がシンクロするような一体感。ミッキーマウスのような架空の存在ではなく、仲間の一人が成り上がった”ツレ”としてのヒーロー。生い立ちや生き方を含め、自分の「リアル」の延長にある存在だ。方や敗戦国の焼け跡から這い上がった日本人全体のリアル、方やゲームに熱中する若者世代のリアルという違いがあるにしても。

一方、現代のスポーツのヒーローは、幼少期から才能を認められ、特別な訓練を受けたエリートだ。超人的な技術に驚愕しても、自分と共通項を見出すのは難しい。私たちのリアルからは遠く離れ、ミッキーマウスやスパイダーマンと同列の存在である。だからこそスポーツ観戦はテーマパーク並みのエンタテイメント性を持たせたイベントになりつつあるのだ。スポーツイベントは、今や新たなレジャーランドである。

オタクと揶揄されるゲーム界のヒーローは、かつての不良のあこがれだったロックンローラーに似ている。リーゼントと革ジャンはきゃしゃなメガネとスウェットに変わったが、大人が眉をひそめる反エリートとしてのポジションは同じである。eスポーツが、従来の「カッコイイ」観を壊す、ファッションやライフスタイルのムーブメントに広がっていく可能性は十分にあるのではないだろうか。

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