「有限責任」は画期的な大発明であった (2013/7/30)

御大マイケル・ポーター先生が掲げている”Creating Shared Value(CSV)”という考え方が話題である。

社会的価値の創造を通じて経済的価値を創造することが大事、ということである。

それらが両立できるのは理想だが、どちらを取るかと言われれば一般的には経済的な利益だろう。

 

そこのジレンマを解きほぐすために、マーケティング研究会(通称まーけん)で『株式会社』(ミクルスウェイト他、2006年)を輪読した。

それによると、1862年に英国で法制化された「有限責任」が画期的な大発明だったとのこと。

無限責任を問わないが故に、投資家に積極的な投資を促し、執行者のチャレンジを奨励する。

その上で、責任が有限だからこそ、執行者は社会に迷惑をかけないように誠心誠意努力を傾ける。

これが経済と福祉を両立させるメカニズムである。

 

もちろん、倫理感のたががはずれると、従業員からの搾取や公害を顧みない凶暴な暴走車になる。

倫理感というブレーキを執行者が持っていることを前提として、免罪符が発行されているのだ。

 

グローバル競争の問題は、そのブレーキ感覚が国の文化によって違うことだ。

先進諸国と新興国の会社では、根っこにある倫理観は異なっている。

そこが競争条件の差になって表れる。

 

そう考えると、CSVを掲げるポーター先生の言も、米国企業の優位を保つための方便のひとつととらえられなくもない。

中国企業さん、これからはCSVですよ、公害対策や人権対策にコストをかけて競争条件をわれわれと一緒にしてね、ということだ。

これもまた、会社の利益追求が社会の福祉向上につながる一例だ。

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