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桜橋ビジネス勉強会

DX時代の電話の役割

先の自民党の総裁選挙で、安倍前総理は高市さん応援のため、議員に電話をかけまくったらしい。

電話は突然訪れる訪問者である。

飛び込みセールスなら断ればしまいだが、偉い人からの電話だと無下には扱えない。

相手にプレッシャーをかけるには、数あるコミュニケーション手法の中で電話が一番だろう。

 

事前にアポを取ったテレビ通話や、メールやチャットではこうはいかない。

これらは受け手に優しいツールだから、威圧感を出しにくい。

それゆえ、リモートワークでのコミュニケーションツールはZoomやSlackが人気で、電話はオールドツールとして敬遠されがちだ。

某有名起業家タレントも、今どきいきなり電話をかけてくる人とは付き合わないと言っていたから、当世では相当の嫌われ者である。

 

ところが、クラウド型CRMシステムのトップ企業であるセールスフォース・ドットコムのプロモ動画で面白いシーンを見つけた。

マーケティングデータを分析してWeb広告を出したり、AIを使って発注数量を提案したりと、これぞDXという動画の中のところどころに電話が登場する。

メーカーが小売りのバイヤーに行動を促したり、問い合わせに答える場面である。

音声電話は必要なタイミングで、短時間で要件を伝えることができる。

DXと言えども、機動的なコミュニケーションには電話がよいということだろう。

 

実際の仕事の中でも、電話一本すればすぐ済むような問い合わせを、チャットを使うばかりに、半日、一日を費やしている場面によく出会う。

オールドな電話世代なので特にそう思うのだろうが、やはり電話は話が早い。

会議中に出たタスクを、その場で電話を取り出してすぐ実行するテンポ感は、イケてるビジネスには必要だと思う。

 

いきなりの電話は相手の状況を踏まえないから、無礼と言えば無礼である。

なんでもかんでも電話という人は、小生も閉口する。

しかし、無礼の程度と仕事を前に進めるメリットを素早く天秤にかけ、ここぞというときに電話ができるスキルが、DXの時代だからこそ必要だと思う。

相手の手を止めてでも、「今あなたと話がしたい」「今のあなたに必要な情報がある」という熱を伝えることが必要なことは必ずあるはずだ。

圧力電話は願い下げだが、デジタル社会に感情のアクセントつけ、仕事をスピードアップする手段として、音声電話はまだまだ有用だと思う。

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