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桜橋ビジネス勉強会

第28回 戦略のための道徳/道徳のための戦略[2020/11/17開催]

『戦略思考のしくみ』出版連動企画・リアル参加限定

戦略のための道徳/道徳のための戦略

活発な議論のもと、終了いたしました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 

いくらビジネスの論理を学んだからといって、整然とした戦略が組み立てられるわけではありません。現実の経営は、「あちらを立てればこちらが立たず」のトレードオフに陥ります。コロナ禍における、営業を自粛すべきか否かといった判断は、その典型的なものです。コロナを引き合いに出すまでもなく、ビジネス活動は、常に道徳と利益追求のジレンマを抱えています。法規制を守るのは当然として、さらにESG投資やフェアトレードなどの、より積極的な「良心」や「道徳」を持つことも要求されています。

戦略思考は、これらのジレンマの中で最善解を考え抜くことを目指すものですが、ステークホルダーとの利害関係が複雑になり、考慮に入れるべき変数が増加しています。それゆえ、戦略思考にブレーキをかけ、「前例を踏襲する」「手加減をする」「安易に妥協する」といった判断をしがちになります。これからの事業革新を進めるためにも、経験のないアイデアを試し、機動的に環境適応するための思考と行動を、今一度起動する必要があります。

問題は「道徳」です。論理の制約としての道徳ではなく、論理を拡張し、発想を広げるための道徳というものが考えられないか。一方で、道徳的に生きようとすれば、論理的であることは必須なのではないか。今回の勉強会は、「道徳」が思考と行動に火をつける起爆剤であるという座長の仮説を提示し、議論したいと思います。

まず、座長の杉田より、下記の論旨について、互いに関連づけながらコンパクトに情報提供します。それぞれが頭にガツンとくる、刺激的な書物です。

①思考の限界を説いた代表的な論:行動経済学(ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』)、構造主義(内田樹『寝ながら学べる構造主義』)、ポスト構造主義(斎藤慶典『デリダ―なぜ「脱‐構築」は正義なのか』)

②その限界を克服する方法論(=道徳):東洋的な思想(河合隼雄 『ユング心理学と仏教』)、アドラー心理学(岸見一郎・古賀 史健『嫌われる勇気』)

③思考と道徳の関係:ハンナ・アーレントの思想(ハンナ・アーレント「独裁体制のもとでの個人の責任」)

以上の情報を共有したうえで、この仮説の妥当性や実践面での効果、これからのリーダー教育の可能性などを議論したいと思います。なお、座長も参加者も「よく分からないことを言葉にする」議論になること必至ですので、今回は「リアル参加限定」で行います。

 

●日時:2020年11月7日(土)14:00~17:20

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